![]() 錠剤およびその調製
专利摘要:
本発明は、内部破壊の低減された錠剤を作製する方法を特徴とする。一態様において、方法は、(1)ダイの内部表面が少なくとも1つの滑沢剤で滑沢化されており、打錠前材料が少なくとも1つの治療薬および少なくとも1つの薬学的に許容されるポリマーを含む、ダイ中の打錠前材料を圧縮して錠剤を形成するステップ、ならびに(2)前記錠剤を前記ダイから排出するステップを含む。別の一態様において、方法は、少なくとも1つの治療薬および少なくとも1つの薬学的に許容されるポリマーを含む顆粒状または粉末状の打錠前材料を用い、打錠前材料中の粒子の90%は400μmより小さい。 公开号:JP2011513335A 申请号:JP2010548906 申请日:2009-02-27 公开日:2011-04-28 发明作者:ウオードロツプ,ジヤクリーン;ゴーピナサン,ニシヤンス;サンチアゴ,アルバート;シユライヤー,ハインツ;シユレーダー,ルドルフ;フエイシユ,リン・ブイ;ブルトマン,マルテイン;モリス,ジヨン・ビー 申请人:アボット・ラボラトリーズAbbott Laboratories; IPC主号:A61K9-20
专利说明:
[0001] 本出願は、2008年2月28日出願の米国仮出願第61/032145号明細書の利益を主張するものであり、その内容全てが参照により本明細書に組み込まれる。] [0002] (発明の分野) 本発明は、錠剤の剤形およびそれを作製する方法に関する。] 背景技術 [0003] (背景) 錠剤を作成する典型的な方法は、ダイまたは鋳型において、(1つまたは複数の)有効薬剤成分および(1つまたは複数の)賦形剤の混合物を圧縮して錠剤に所望の形状および硬度を与えることを含む。錠剤圧縮装置における通常の機械的ユニットは、底部からダイ中に適合する下パンチおよび上部からダイキャビティに入る上パンチを含む。錠剤は、パンチに加えられた圧力によって圧縮される。] [0004] ダイおよびその付随する部品の摩擦磨耗を低減するのを助けるために、滑沢剤が打錠前混合物に加えられてよい。混合物中の様々な成分の接着の促進を助けるために、結合剤も加えられてよい。崩壊剤は錠剤がインビボで崩壊するのを助け、したがって錠剤中に含まれる(1つまたは複数の)有効薬剤成分を送達するのを助ける。錠剤は、いかなる賦形剤も用いずに、(1つまたは複数の)有効薬剤成分を緊密に圧縮することによっても作成され得る。] [0005] 錠剤をコーティングするのが望ましいことがある。コーティングは、例えば、錠剤の分解を防ぐための薄フィルムであってよい。フィルムには、錠剤の不快な味をマスクするため、または錠剤の崩壊または溶解を遅らせるためなど他の目的もあることがある。] [0006] 錠剤および錠剤の調製のより詳しい記載は、その内容全てが参照により本明細書に組み込まれるE.RudnicおよびJ.Schwartz、「Oral Solid Dosage Forms」、REMINGTON’SPHARMACEUTICAL SCIENCE(第18版、1990年)、第89章、1633−1658頁において見ることができる。] 先行技術 [0007] E.RudnicおよびJ.Schwartz、「Oral Solid Dosage Forms」、REMINGTON’SPHARMACEUTICAL SCIENCE(第18版、1990年)、第89章、1633−1658頁] [0008] (発明の要旨) 本発明は、滑沢化されたダイにおいて錠剤を作製する方法を特徴とする。本発明は、ポリマー含有の打錠前材料は、滑沢剤とブレンドされ、滑沢化されていないダイにおいて圧縮される場合、内部破壊を含む錠剤を形成することがあるという予想外の発見によるものである。これら内部破壊は、キャッピングまたはラミネーションなどの主要な錠剤の品質欠陥を発生する前兆である。滑沢化されたダイの使用は、驚くべきことに、これら内部破壊を低減または排除し、したがって構造上の安定性および物理的完全性の改善された錠剤を創り出す。] [0009] 滑沢化されたダイを使用すると、圧縮前にいかなる滑沢剤ともブレンドされない打錠前材料から作成される錠剤における内部破壊も低減または排除する。したがって、本発明は、圧縮前に滑沢剤のブレンドを必要としない打錠方法を特徴とする。ブレンド不足およびブレンド過剰は、滑沢剤のブレンド方法に付随する一般的な問題である。例えば、ブレンド過剰は、ブレンドされた粒子の、滑沢剤の層との物理的な整列すなわち「コーティング」をもたらすことがある。これは、溶解プロフィールの遅れ、錠剤硬度の低下、コーティング欠陥の増大、またはインビボ結果の悪化をもたらすことがある。滑沢化されたダイの使用は、滑沢剤ブレンド方法の排除を可能にし、得られる錠剤の物理的完全性および製品品質を改善する。滑沢剤のブレンドを排除することにより、新しい方法は操作ステップを減らし、これは次に製造サイクル時間を改善し、連続的な製造方法の実行を単純化し、方法処理量を増強し、製造コストを低減することができる。さらに、得られた錠剤の物理的完全性が改善されることで、コーティングおよび容器の輸送などのより荒々しい下流部門の操作の間に、錠剤の欠陥をさらに発生する可能性が低減し得る。] [0010] 一態様において、本発明は錠剤を作製する方法を特徴とし、この方法は、 ダイの少なくとも1つの内部表面が少なくとも1つの滑沢剤で滑沢化されており、打錠前材料は少なくとも1つの治療薬および少なくとも1つの薬学的に許容されるポリマーを含む、ダイにおいて前記打錠前材料を圧縮して錠剤を形成するステップ、および 錠剤をダイから排出するステップ を含む。] [0011] 打錠前材料は、(1)1トン/cm2に等しくもしくはそれを超える圧力で圧縮した場合、変性され、もしくは不活性化される任意の治療薬、(2)1トン/cm2に等しくもしくはそれを超える圧力で圧縮した場合、その溶出が遅延される任意の低分子有効成分、または(3)前記少なくとも1つの滑沢剤によって影響を及ぼされる任意の治療薬を含まない。] [0012] 方法がいかなる滑沢剤ブレンドステップも含まないのが好ましい。打錠前材料も、いかなる滑沢剤も含まず、またはほんの少量の(1つもしくは複数の)滑沢剤を含むのが好ましい。多くの場合において、打錠前材料は0.5重量%未満の(1つまたは複数の)滑沢剤を含む。打錠前材料が、0.2重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%未満、またはそれ未満の(1つもしくは複数の)滑沢剤を含むのがより好ましい。] [0013] 打錠前材料は、例えば、制限なく、少なくとも30重量%の前記少なくとも1つの薬学的に許容されるポリマー(2つまたはそれを超える薬学的に許容されるポリマーのブレンドを含む)を含むことができる。例えば、打錠前材料は、少なくとも40重量%、50重量%、60重量%、70重量%または80重量%の、前記少なくとも1つの薬学的に許容されるポリマーを含むことができる。本発明は、前記少なくとも1つの薬学的に許容されるポリマーを30重量%未満含む、打錠前材料の使用も企図するものである。例えば、打錠前材料は、前記少なくとも1つの薬学的に許容されるポリマーを、少なくとも25重量%、20重量%、15重量%または10重量%含むことができる。] [0014] 一実施形態において、各々の前記少なくとも1つの薬学的に許容されるポリマーは親水性(または水溶性)である。各々の前記少なくとも1つの薬学的に許容されるポリマーのTgが少なくとも50℃であるのが好ましい。適切なポリマーの非制限的な例は、N−ビニルピロリドンのホモポリマーもしくはコポリマー(例えば、コポビドン)、またはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。] [0015] 水溶性または水難溶性であるポリマーも用いられてよい。] [0016] 本発明において、任意の適切な滑沢剤が用いられてよい。好ましい滑沢剤の非制限的な例は、フマル酸ステアリルナトリウムである。] [0017] 打錠前材料が下パンチおよび上パンチによって圧縮される場合、下パンチの上部表面および/または上パンチの下部表面も滑沢化されてよい。ダイおよびパンチは、同じ(1つまたは複数の)滑沢剤または異なる滑沢剤で滑沢化されてよい。] [0018] 一実施形態において、打錠前材料中に含まれる(1つまたは複数の)治療薬は、前記少なくとも1つの薬学的に許容されるポリマーを含むマトリックス中の固体分散物として配合される。打錠前材料が2つまたはそれを超える治療薬を含む場合、薬剤は同じ固体分散物または異なる固体分散物中に配合されてよい。] [0019] マトリックスは、少なくとも1つの薬学的に許容される界面活性剤をさらに含むことができる。一実施形態において、前記少なくとも1つの薬学的に許容される界面活性剤の各々のHLB値は4から10までである。前記少なくとも1つの薬学的に許容される界面活性剤が、ソルビタンモノラウレートなどのソルビタンモノ脂肪酸エステルを含むのが好ましい。] [0020] 一実施形態において、打錠前材料は、リトナビル、またはリトナビルおよびロピナビルの組合せを含む。この打錠前材料から作成される錠剤は、イヌにおいて、非絶食条件下、少なくとも5μg・h/ml/100mgのリトナビル血漿濃度の投与量調節されたAUCを示し、および/またはイヌにおいて、非絶食条件下、少なくとも15μg・h/ml/100mgのロピナビル血漿濃度の投与量調節されたAUCを示す。別の一実施形態において、打錠前材料は、リトナビル、およびチトクロームP450酸化酵素(例えば、CYP3A4)によって代謝される、またはP−糖タンパク質によって輸送される別の治療薬を含む。] [0021] さらに別の一実施形態において、本発明は錠剤を作製する方法を特徴とし、この方法は、 ダイの内部表面が少なくとも1つの滑沢剤で滑沢化されており、打錠前材料はマトリックス中に少なくとも1つの治療薬の固体分散物を含み、前記マトリックスは少なくとも1つの薬学的に許容されるポリマーを含み、前記少なくとも1つの治療薬はリトナビルを含む、ダイにおいて打錠前材料を圧縮して錠剤を形成するステップ、および 錠剤をダイから排出するステップ を含む。] [0022] 打錠前材料は、例えば、前記少なくとも1つの薬学的に許容されるポリマーを、少なくとも30重量%、40重量%または50重量%含むことができる。前記少なくとも1つの薬学的に許容されるポリマーの各々は親水性(または水溶性)であり、Tgが少なくとも50℃であるのが好ましい。前記少なくとも1つの薬学的に許容されるポリマーがコポビドンを含むのがより好ましい。マトリックスは、少なくとも1つの薬学的に許容される界面活性剤をさらに含むことができる。制限なく、各々の前記少なくとも1つの薬学的に許容される界面活性剤のHLB値が4から10までであるのが好ましい。好ましい界面活性剤の非制限的な例はソルビタンモノラウレートである。] [0023] 本発明において用いられる打錠前材料は、溶融押出、噴霧乾燥、凍結乾燥、溶媒蒸発、湿式造粒、乾式造粒、直接ブレンドおよび流動床造粒など、当技術分野において知られている様々な手段によって調製されてよい。好ましい方法の1つは溶融押出であり、これは、 (1つまたは複数の)治療薬および前記少なくとも1つの薬学的に許容されるポリマーを含む溶融物を凝固させるステップ、および 凝固した溶融物を粉砕して前記打錠前材料を提供するステップ を含む。] [0024] 本発明は、粒子サイズの小さい打錠前材料を用いた打錠方法も特徴とする。打錠前材料が小さいサイズの顆粒を含み、比較的低い圧力で圧縮される場合、得られる錠剤は、驚くべきことに、圧縮が滑沢化されていないダイにおいて滑沢化されていないパンチを用いて行われる場合でも、著しく少ない検出可能な内部破壊を含み、または検出可能な内部破壊を含まない。したがって、別の一態様において、本発明は錠剤を作成する別の一方法を特徴とし、この方法は、 顆粒状または粉末状の材料が少なくとも1つの治療薬および少なくとも1つの薬学的に許容されるポリマーを含み、前記顆粒状または粉末状の材料における粒子の少なくとも90%は400μmより小さい、ダイにおいて顆粒状または粉末状の材料を圧縮して錠剤を形成するステップ、ならびに 前記ダイから前記錠剤を排出するステップ を含む。] [0025] 一実施形態において、顆粒状または粉末状の材料における粒子の90%は、200μmより小さい、または100μmより小さいなど、300μmより小さい。本発明は、打錠前材料の平均粒子サイズが200μmを超えず、好ましくは150μmを超えず、より好ましくは100μmを超えない場合の、打錠前材料の使用も企図するものである。本明細書に記載する任意の打錠前材料は粒子サイズの低下にかけられ、次いで内部破壊の低下または排除された錠剤を作成するのに用いられてよい。] [0026] さらに、本発明は、本発明の方法にしたがって作成される錠剤を特徴とする。一実施形態において、錠剤は、マトリックス中に少なくとも1つの治療薬の固体分散物を含み、マトリックスは少なくとも1つの薬学的に許容される親水性ポリマー(または少なくとも1つの薬学的に許容される水溶性ポリマー)、および場合により、少なくとも1つの薬学的に許容される界面活性剤を含み、錠剤はいかなる滑沢剤も含まず、または錠剤中の滑沢剤もしくは(複数の)滑沢剤の総量は錠剤の0.5重量%未満であり、錠剤は、(1)1トン/cm2に等しくもしくはそれを超える圧力で圧縮した場合、変性もしくは不活性化される任意の治療薬、(2)1トン/cm2に等しくもしくはそれを超える圧力で圧縮した場合、その溶出が遅延される任意の低分子有効成分、または(3)前記滑沢剤もしくは(複数の)滑沢剤によって影響を及ぼされる任意の治療薬を含まない。多くの場合において、錠剤はいかなる滑沢剤も含まず、または錠剤中の滑沢剤もしくは(複数の)滑沢剤の総量は、錠剤の0.25重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%未満、もしくはそれより少ない。錠剤中に配合される(1つまたは複数の)治療薬は、例えば、制限なく、リトナビル、またはリトナビルおよび別の治療薬の組合せ(例えば、リトナビルおよびロピナビルの組合せ、またはリトナビル、およびCYP3A4によって代謝され、もしくはP−糖タンパク質によって輸送される別の治療薬の組合せ)を含むことができる。] [0027] 別の一実施形態において、本発明にしたがって作成される錠剤は、マトリックス中に少なくとも1つの治療薬の固体分散物を含む圧縮コアを含み、マトリックスは少なくとも1つの薬学的に許容される親水性ポリマー(もしくは少なくとも1つの薬学的に許容される水溶性ポリマー)、および場合により少なくとも1つの薬学的に許容される界面活性剤を含み、コアはその中にいかなる滑沢剤も含まず、錠剤は、(1)1トン/cm2に等しくもしくはそれを超える圧力で圧縮した場合、変性もしくは不活性化される任意の治療薬、(2)1トン/cm2に等しくもしくはそれを超える圧力で圧縮した場合、その溶出が遅延される任意の低分子有効成分、または(3)前記錠剤中に含まれる滑沢剤によって影響を及ぼされる任意の治療薬(あるとすれば)を含まない。コアはフィルムコートでコーティングされていてよい。残留の(1つまたは複数の)滑沢剤は、滑沢化されたダイおよび/またはパンチからの汚染の結果として錠剤中に検出可能であってよい。錠剤中に配合された(1つまたは複数の)治療薬は、例えば、制限なく、リトナビル、またはリトナビルおよび別の治療薬の組合せ(例えば、リトナビルおよびロピナビルの組合せ、またはリトナビル、およびCYP3A4によって代謝され、もしくはP−糖タンパク質によって輸送される別の治療薬の組合せ)を含むことができる。] [0028] 本発明の他の特徴、目的、および利点は以下の発明を実施するための形態において明らかである。しかし、発明を実施するための形態は、本発明の好ましい実施形態を示すが、説明のみによってもたらされるものであり、限定的ではないことを理解されなければならない。本発明の範囲内の様々な変更および改変は、当業者であれば発明を実施するための形態から明らかになる。] [0029] 図は限定のためではなく、説明のために提供するものである。] 図面の簡単な説明 [0030] オンラインの滑沢(ステップ1)、ダイ充填(ステップ2)、錠剤圧縮(ステップ3)および錠剤排出(ステップ4)を含む4ステップ打錠サイクルを模式的に示す図である。 目標の粉砕押出物の粒子サイズ分布を示す図である。 170ミクロンメッシュを用いて目標の粉砕押出物を篩にかけることによって粗製押出物から分離された微細押出物の粒子サイズ分布を示す図である。 粗製押出物の粒子サイズ分布を示す図である。 様々な製剤に対する平均降伏圧力を示す図である。 目標の粉砕押出物で作成され、ダイ壁滑沢化なしで36kN負荷で圧縮された錠剤のエックス線マイクロトモグラフィー(XMT)画像を示す図である。 目標の粉砕押出物で作成され、ダイ壁滑沢化なしで42kN負荷で圧縮された錠剤のXMT画像を示す図である。 目標の粉砕押出物で作成され、ダイ壁滑沢化なしで48kN負荷で圧縮された錠剤のXMT画像を示す図である。 目標の粉砕押出物で作成され、ダイ壁滑沢化ありで42kN負荷で圧縮された錠剤のXMT画像を示す図である。 目標の粉砕押出物で作成され、ダイ壁滑沢化ありで48kN負荷で圧縮された錠剤のXMT画像を示す図である。 微細押出物で作成され、ダイ壁滑沢化なしで36kNで圧縮された錠剤のXMT画像を示す図である。 微細押出物で作成され、ダイ壁滑沢化ありで36kNで圧縮された錠剤のXMT画像を示す図である。 微細押出物で作成され、ダイ壁滑沢化なしで42kNで圧縮された錠剤のXMT画像を示す図である。 微細押出物で作成され、ダイ壁滑沢化ありで42kNで圧縮された錠剤のXMT画像を示す図である。 微細押出物で作成され、ダイ壁滑沢化なしで48kNで圧縮された錠剤のXMT画像を示す図である。 微細押出物で作成され、ダイ壁滑沢化ありで48kNで圧縮された錠剤のXMT画像を示す図である。 粗製押出物で作成され、ダイ壁滑沢化なしで42kNで圧縮された錠剤のXMT画像を示す図である。 粗製押出物で作成され、ダイ壁滑沢化ありで42kNで圧縮された錠剤のXMT画像を示す図である。 粗製押出物で作成され、ダイ壁滑沢化ありで48kNで圧縮された錠剤のXMT画像を示す図である。] [0031] (詳細な記述) 本発明は、内部破壊が低減され、または排除された錠剤を特徴とする。本発明は、滑沢化されたダイにおいて打錠前材料を圧縮するステップを含む打錠方法も特徴とする。本発明のこの態様は、ポリマー含有の打錠前材料を、滑沢化されていないダイにおいて高い圧力で圧縮した場合、キャッピングおよび/または剥離などの機械的損傷を引き起こすことがある内部破壊を含む錠剤を形成することがあるという予想外の発見によるものである。同じ材料(滑沢剤とブレンドされた、またはブレンドされないいずれかの)が滑沢化されたダイにおいて圧縮される場合、得られる錠剤は著しく少ない検出可能な内部破壊を含み、または検出可能な内部破壊を含まない。打錠前材料の粒子サイズを低減することによって、本発明は、驚くべきことに、得られた錠剤が著しく少ない検出可能な内部破壊を含み、または検出可能な内部破壊を含まないことも見出した。] [0032] キャッピングおよび剥離は、コーティングまたは包装まで発見されないことの多い欠陥である。本発明は、非侵襲性の方法を用いて、錠剤のキャッピングまたは剥離の傾向を予想する。方法は、エックス線マイクロトモグラフィー(XMT)を用いて錠剤の内部構造を画像化するものである。錠剤中に内部破壊が存在することは、キャッピングまたはラミネーションのリスクの増大を示すことが多い。意外なことに、XMTを用いて、ポリマー含有の打錠前材料が滑沢化されていないダイにおいて圧縮される場合、得られた錠剤は著しい量の内部破壊を含み、これが錠剤のキャッピングまたは剥離のリスクを実質的に増大することが見出された。驚くべきことに、圧縮前にダイ壁を滑沢化することにより、錠剤中の内部破壊は著しく低減または排除され得、錠剤の物理的完全性および物理的安定性の増大をもたらすことが見出された。] [0033] したがって、本出願は、 ダイの内部表面が少なくとも1つの滑沢剤で滑沢化されており、打錠前材料が少なくとも1つの治療薬および少なくとも1つの薬学的に許容されるポリマーを含む、ダイにおいて打錠前材料を圧縮して錠剤を形成するステップ、および 錠剤をダイから放出または排出するステップ を含む、錠剤を作製する方法を特徴とする。] [0034] 滑沢化されたダイの内部表面は、圧縮または排出の間少なくとも1点で打錠前材料または錠剤と接触している。多くの場合において、滑沢化されたダイの内部表面は、錠剤の圧縮を通して打錠前材料と接触しており、または錠剤の排出を通して錠剤と接触している。圧縮および排出の間打錠前材料および錠剤と接触しているダイの内部表面全体が滑沢化されているのが好ましい。] [0035] 錠剤圧縮装置における通常の機械的ユニットは、ダイキャビティ内で作動する2つのパンチを含む。打錠前材料は、顆粒または粉末の形態であることが多く、ダイキャビティ中に充填され、次いで予め決定された圧力下でパンチによって圧縮されて錠剤を形成する。圧縮の間打錠前材料と接触しているパンチの表面は、本明細書では圧縮表面と呼ばれる。(1つまたは複数の)圧縮表面は、記号、イニシャルまたは他のデザインパターンが彫り込まれ、または浮き彫りにされていてよい。2つのパンチが垂直に整列される場合、これらはダイに対するその位置に応じて、それぞれ下パンチおよび上パンチと呼ばれる。下パンチは底部からダイに入り、上パンチは上部からダイに入る。下パンチの圧縮表面は、本明細書では下パンチの上部表面と呼ばれ、上パンチの圧縮表面は、本明細書では上パンチの下部表面と呼ばれる。] [0036] 本発明によると、2つのパンチの少なくとも1つの圧縮表面(例えば、下パンチの上部表面または上パンチの下部表面)は、また、ダイ充填の前に滑沢化されてよい。両方の圧縮表面(例えば、下パンチの上部表面および上パンチの下部表面の両方)が滑沢化されているのが好ましい。] [0037] 一実施形態において、圧縮の間に打錠前材料と、および/または排出の間に錠剤と接触しているダイの内部表面、ならびに2つのパンチの圧縮表面(例えば、下パンチの上部表面および上パンチの下部表面)が、打錠前材料がダイ中に充填される前に滑沢化される。これらの表面は、同じ(1つまたは複数の)滑沢剤で滑沢化されてよい。これらは、異なる滑沢剤で滑沢化されてもよい。打錠前材料が、圧縮の期間を通して滑沢化された表面と接触しているのが好ましく、それから作成された錠剤が滑沢化されたダイ壁および排出の経過の間排出パンチの滑沢化された圧縮表面と接触しているのが好ましい。] [0038] ダイの内部表面および/またはパンチの圧縮表面の滑沢化は、いくつかの利点をもたらし得る。第一に、滑沢化は錠剤における内部破壊を低減または排除し、それによって錠剤の構造的安定性を改善し得る。これは、次に、キャッピングによる製品損失を低減することによって方法収量を増大し得る。第二に、ダイ壁および/または圧縮表面の滑沢化は、打錠前材料に(1つまたは複数の)滑沢剤を添加する必要性を排除し、それによって操作ステップを減少することができる。これは、最終の錠剤の品質の最終のブレンドステップの実行に対する依存を排除することもできる(例えば、制御は、ブレンド時間、ブレンダーに(1つまたは複数の)粉末を添加する順番、ブレンダーのスピード、または回転数にはもはや必要とされないことがある)。余分な操作ステップの排除は、製造サイクル時間を潜在的に改善し、連続的な製造を単純にし、方法処理量を増強し、製造コストを低減し得る。方法におけるこれらの改善は、また、バッチサイズの増大、および分析的な放出試験に対する費用の低減をもたらし得る。さらに、ダイ壁の滑沢化は、錠剤を作成するためのより低い圧縮圧力の使用を可能にし、したがって各操作サイクル間の打錠機械(パンチおよびダイを含む)の損耗を低下し得る。] [0039] 本発明に適する滑沢剤は、それだけには限定されないが、脂肪酸(例えば、ステアリン酸)、脂肪酸塩(例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カリウムもしくはステアリン酸ナトリウムなどのステアリン酸塩、または脂肪酸ナトリウム塩)、脂肪酸エステル(例えば、ステアリンまたは他のステアリン酸エステル)、脂肪族アルコールエステル(例えば、フマル酸ステアリルナトリウム)、ラウリル硫酸塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムまたはラウリル硫酸マグネシウム)、ロウ(例えば、ミツロウ、カルナウバロウ、ゲイロウまたは他の動物、植物、鉱物、石油もしくは合成のロウ)、脂肪、タルク、硬化油、ポリエチレングリコール、ホウ酸、アジピン酸、フマル酸、ケイ酸無水物または水和物、水和ケイ酸アルミニウム、硫酸塩またはエステル(例えば、硫酸ナトリウム)、酸化マグネシウム、グリコール、安息香酸ナトリウム、ベヘン酸グリセリル、ロイシン、デンプン、粉末アラビアゴム、アスパルテーム(N−α−L−アスパルチル−L−フェニルアラニン1−メチルエステル)またはこれらの任意の混合物を含む。ダイの内部表面および/またはパンチの圧縮表面は、他の添加剤と一緒に、またはそれなしで、1つの滑沢剤によって、または2つもしくはそれを超える滑沢剤の組合せによって滑沢化されてよい。ダイの内部表面および/またはパンチの圧縮表面が、フマル酸ステアリルナトリウム、またはフマル酸ステアリルナトリウムと1つもしくはそれを超える他の滑沢剤の組合せで滑沢化されるのが好ましい。本発明において用いられる(1つまたは複数の)滑沢剤は、任意の適切な物理的形態(例えば、固体、半流動、ペースト、液体、粉末、溶液、霧状またはこれらの任意の混合)であってよい。] [0040] (1つまたは複数の)滑沢剤は、ダイの内部表面および/またはパンチの圧縮表面に、様々な手段によって適用されてよい。例えば、(1つまたは複数の)滑沢剤は、ダイ壁および/または圧縮表面に、ブラシを用いて、手操作でまたは自動的に適用されてよい。(1つまたは複数の)滑沢剤は、その全てがその全文において参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,609,908号、第5,700,492号、第6,764,695号および第6,964,779号において記載されているものなど、分配装置を用いることによって、これらの表面に適用されてもよい。適切な滑沢剤分配装置は、FETTEGMBH(ドイツ)によって製造されているPKB1、PKB2およびPKB3システムなど、やはり市販されている。] [0041] 滑沢剤分配装置は、滑沢化のステップが他の打錠ステップと協調されるように、錠剤圧縮機械と容易に連結され得る。例えば、米国特許第6,764,695号および第6,964,779号において記載されているシステムを参照されたい。このような分配装置は、連続の打錠サイクルを可能にする「オンライン」または「ダイ壁」の滑沢化ユニットになる。各サイクルは、典型的に、ダイの内部表面および/または圧縮表面を滑沢化するステップ、打錠前材料でダイを充填するステップ、ダイにおいて打錠前材料を圧縮して錠剤を形成するステップならびにダイから錠剤を排出するステップを含む。図1は、オンラインの滑沢化を含む例示の打錠サイクルを模式的に表している(ステップ1)。ステップ1において、滑沢剤(または滑沢剤の組合せ)が、(1つまたは複数の)スプレーノズルを通してダイの内部表面上およびパンチの圧縮表面上に噴霧される。ステップ2において、滑沢化されたユニットは充填エリア(1)に移動し、そこで打錠前材料(3)がダイ中に充填される。ステップ3において、打錠前材料は、パンチによって圧力下圧縮されて錠剤(4)を形成する。次いで、錠剤は、ステップ4における下パンチによってダイから押し出され、錠剤スクレーパー(2)によって装置から除去される。これらのステップは全て、ロータリー式打錠機上で行われてよい。ステップ2の後でステップ3の前の与圧などのさらなるステップもサイクルに含まれてよい。] 図1 [0042] ステップ3における圧縮圧力(および、あるとすれば与圧圧力)は、例えば、10kN/cm2から50kN/cm2の範囲であってよい。圧縮圧力が少なくとも10kN/cm2(または少なくとも1トン/cm2)であるのが好ましい。例えば、圧縮圧力は、少なくとも15、16、17、18、19、20kN/cm2またはそれを超えることができる。圧縮圧力が少なくとも10kN/cm2であるが30kN/cm2を超えず、例えば、25kN/cm2、20kN/cm2または15kN/cm2を超えないのがより好ましい。圧縮圧力が、10kN/cm2から15kN/cm2まで、または15kN/cm2から20kN/cm2までなど、10kN/cm2から20kN/cm2までであるのが極めて好ましい。] [0043] 滑沢化されたダイにおいて、および/または滑沢化されたパンチを用いて圧縮された錠剤は、滑沢化されていないダイにおいて滑沢化されていないパンチを用いて圧縮された錠剤に比べて、圧縮力、粒子サイズ、または内部滑沢化が用いられるか否かなどのファクターに応じて、しばしば、著しく少ない検出可能な内部破壊を含み、または検出可能な内部破壊を含まない。本明細書で用いられる「著しく少ない」は、滑沢化されたダイ/パンチを用いて作成された錠剤における内部破壊の平均数が、滑沢化されていないダイ/パンチを用いて作成された錠剤における内部破壊の平均数よりも、少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%少ないことを意味する。錠剤における内部破壊は、本明細書以下に記載するように、XMTによって検出され得る。] [0044] 錠剤製剤に受け入れられる任意の治療薬が、本発明にしたがって打錠され得る。これらの治療薬の非制限的な例は、感染症、癌、免疫不全、神経障害、神経精神病学的障害、造血障害、内分泌障害、心血管障害、肝障害、代謝障害、炎症または疼痛の処置のための薬物を含む。これら治療薬の具体的な例は、それだけには限定されないが、抗ウイルス薬(例えば、HIVプロテアーゼ阻害薬、HIV逆転写酵素阻害薬、HIVインテグラーゼ阻害薬、HIV融合阻害薬、HCVプロテアーゼ阻害薬およびHCVポリメラーゼ阻害薬)、抗生物質、抗癌薬(例えば、化学療法薬、アルキル化薬、代謝拮抗薬、植物アルカロイド、抗腫瘍抗生物質、ホルモン、抗ホルモン、キナーゼ阻害薬および成長因子受容体阻害薬)または免疫調節薬(例えば、抗炎症薬、免疫抑制薬および免疫賦活薬)を含む。本明細書で用いられる「治療薬」、「有効薬剤成分」および「有効成分」の語は交換可能に用いられる。] [0045] 本発明にしたがって打錠される(1つまたは複数の)治療薬は、1トン/cm2(約9.8kN/cm2)に等しくまたはそれを超える圧力で圧縮した場合に変性または不活性化されず、ダイ壁および圧縮表面上に用いられる(1つまたは複数の)滑沢剤によって影響を及ぼされないのが好ましい。本明細書で用いられる治療薬は、治療薬が不安定化もしくは溶解された場合に変性もしくは不活性化され、または治療薬が結晶型である場合、打錠時に適用される圧力によって、または打錠中に産生される摩擦もしくは熱によって結晶が変形されるので、治療薬の溶出は遅くなる。高い打錠圧力によって変性または不活性化され得る治療薬の例は、その内容全てが参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,964,779号(例えば、表3−5)において記載されている。治療薬が、滑沢剤(または滑沢化された表面)と接触したときに、着色され、分解されまたはその効力が損なわれる場合、治療薬は滑沢剤(または滑沢化された表面)によって影響を及ぼされる。滑沢剤によって影響を及ぼされ得る薬剤の例は、その内容全てが参照により本明細書にやはり組み込まれる米国特許第6,764,695号において例示されている。] [0046] 本発明において用いられる打錠前材料は、例えば、0.1重量%から50重量%までの治療薬(または治療薬の組合せ)を含むことができる。例えば、打錠前材料は、0.5重量%から25重量%までの、好ましくは1重量%から20重量%までの治療薬(または治療薬の組合せ)を含むことができる。打錠前材料が2つまたはそれを超える治療薬を含む場合、各薬剤は、打錠前材料全体の、例えば、0.5重量%から25重量%まで、好ましくは1重量%から20重量%まで存在することができる。50重量%、60重量%または70重量%を超える(1つまたは複数の)治療薬を含む打錠前材料も、本発明に用いられてよい。] [0047] 一例において、打錠前材料はリトナビルを含む。別の一例において、打錠前材料はロピナビルを含む。さらに別の一例において、打錠前材料はリトナビルおよびロピナビルの組合せを含む。なお別の一例において、打錠前材料は、重量比1:4のリトナビルおよびロピナビルの組合せを含む。リトナビルおよびロピナビルは、その両方ともその全文において参照により本明細書に組み込まれる、それぞれ米国特許第5,541,206号および第5,914,332号に記載されている。] [0048] さらなる一例において、打錠前材料は、リトナビル、およびその薬物動態がリトナビルによって改善され得る別の治療薬を含む。なお別の一例において、打錠前材料は、リトナビル、およびP−糖タンパク質によって輸送される別の治療薬を含む。] [0049] 本発明において用いられる打錠前材料は、いかなる滑沢剤も含まず、またはごくわずかな量の(1つもしくは複数の)滑沢剤を含むのが好ましい。本明細書で用いられる、打錠前材料における滑沢剤または(複数の)滑沢剤の量は、それから調製される錠剤が、滑沢剤または複数の滑沢剤なしである以外、その他の点で同一である打錠前材料を用いて同様に調製される錠剤と検出可能な構造上の相違がない場合に「わずか」である。多くの場合において、打錠前材料はいかなる滑沢剤も含まず、または打錠前材料における(1つもしくは複数の)滑沢剤の総量は、打錠前材料の0.5重量%未満である。より好ましくは、打錠前材料における(1つまたは複数の)滑沢剤の総量は、打錠前材料の、0.2重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%未満またはそれより少ない。] [0050] 本発明において用いられる打錠前材料は、薬学的に許容されるポリマー、または2つもしくはそれを超える薬学的に許容されるポリマーの組合せを含む。打錠前材料は、例えば、制限なしに、少なくとも30重量%の薬学的に許容されるポリマーまたは薬学的に許容されるポリマーの組合せを含むことができる。例えば、打錠前材料は、少なくとも40重量%、50重量%、60重量%、70重量%または80重量%の、薬学的に許容されるポリマーまたは薬学的に許容されるポリマーの組合せを含むことができる。本発明は、30重量%未満の(1つまたは複数の)薬学的に許容されるポリマーを含む打錠前材料の使用も企図するものである。] [0051] 多くの実施形態において、打錠前材料は、少なくとも1つの薬学的に許容されるポリマーを含むマトリックス中に、少なくとも1つの治療薬の固体分散物を含む。「固体分散物」の語は、1成分が他の成分または複数の成分にわたって分散されている、少なくとも2つの成分を含む固体状態(液体状態もしくはガス状態に対する)における系を規定するものである。例えば、有効成分または有効成分の組合せが、薬学的に許容される親水性ポリマーもしくは薬学的に許容される親水性ポリマーの組合せからなるマトリックス中に分散されていてよく、または薬学的に許容される水溶性ポリマーもしくは薬学的に許容される水溶性ポリマーの組合せからなるマトリックス中に分散されていてよい。マトリックスは、薬学的に許容される(1つもしくは複数の)界面活性剤、(1つもしくは複数の)流動調節剤、(1つもしくは複数の)崩壊剤、(1つもしくは複数の)可塑剤、(1つもしくは複数の)安定化剤、または(1つもしくは複数の)増量剤または(1つもしくは複数の)充填剤などの他の成分も含むことができる。「固体分散物」の語は、別の相中に分散された1相の、典型的には直径1μm未満の小型粒子を有する系を包含する。成分の前記分散物が、1つの相(熱力学において定義して)にわたって、系が化学的および物理的に一様もしくは均一であり、または1つの相からなるようである場合、そのような固体分散物は「固溶液」または「ガラス状溶液」と呼ばれる。ガラス状溶液は、ガラス状の溶媒中に溶質が溶解している、均一なガラス系である。治療薬のガラス状溶液および固溶液は、打錠前材料において用いられる好ましい物理系である。ガラス状溶液および固溶液は、熱分析(例えば、示差走査熱量測定)、近赤外線分析またはエックス線回折/散乱分析によって証明されるように、その結晶状態または微結晶性状態においていかなる著しい量の有効成分を含まない。本発明は、その各々が異なる治療薬を含む、2つまたはそれを超える異なる固体分散物を含む打錠前材料も企図するものである。] [0052] 本発明において用いられる(1つまたは複数の)薬学的に許容されるポリマーは、好ましくは水溶性である。いくつかの例において、(1つまたは複数の)水溶性ポリマーは、20℃で2%(w/v)水溶液中に溶解した場合、1から5000mPa・sまでの、好ましくは1から700mPa・sまでの、より好ましくは5から100mPa・sまでの見かけの粘度を有することができる。架橋されている、または他の水不溶性もしくは水難溶性のポリマーも、単独で、または水溶性ポリマーと組み合わせて、いずれかで、やはり用いられてよい。] [0053] 本発明に適する、薬学的に許容される水溶性または親水性ポリマーの非制限的な例は、N−ビニルラクタムのホモポリマーまたはコポリマー、例えば、N−ビニルピロリドンのホモポリマーまたはコポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)、またはN−ビニルピロリドンおよび酢酸ビニルもしくはプロピオン酸ビニルのコポリマー);セルロースエステルまたはセルロースエーテル、例えば、アルキルセルロース(例えば、メチルセルロースもしくはエチルセルロース)、ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)、ヒドロキシアルキルアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ならびにフタル酸セルロースまたはコハク酸セルロース(例えば、酢酸フタル酸セルロースおよびフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースもしくは酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース);高分子量ポリアルキレンオキシド、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、およびエチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー;ポリアクリレートまたはポリメタクリレート、例えば、メタクリル酸/エチルアクリレートコポリマー、メタクリル酸/メチルメタクリレートコポリマー、ブチルメタクリレート/2−ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、ポリ(ヒドロキシアルキルアクリレート)およびポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート);ポリアクリルアミド;酢酸ビニルポリマー、例えば、酢酸ビニルとクロトン酸のコポリマー、および部分的に加水分解されているポリビニルアセテート(部分的に鹸化されている「ポリビニルアルコール」とも呼ばれる);ポリビニルアルコール;オリゴ糖または多糖、例えば、カラギーナン、ガラクトマンナン、およびキサンタンゴム;ポリヒドロキシアルキルアクリレート;ポリヒドロキシアルキルメタクリレート;メチルメタクリレートとアクリル酸のコポリマー;ポリエチレングリコール(PEG)またはこれらの任意の混合物を含む。] [0054] 一実施形態において、本発明において用いられる(1つまたは複数の)水溶性/親水性ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、少なくとも50℃、例えば少なくとも60℃、70℃または80℃である。(1つまたは複数の)水溶性/親水性ポリマーのTgが80℃から180℃までであるのが好ましい。有機ポリマーのTg値を決定するための方法は、L.H. Sperling著「Introduction to Physical Polymer Science」、第2版、John Wiley&Sons,Inc.出版、1992年において記載されている。Tg値は、ポリマーをなす各々の個々のモノマーに由来するホモポリマーに対するTg値の重量の和として計算され得、すなわちTg=ΣWiXi(Wiが有機ポリマー中のモノマーiの重量パーセントであり、Xiはモノマーiに由来するホモポリマーに対するTg値である)である。ホモポリマーに対するTg値は「Polymer Handbook」、第2版、J.BrandrupおよびE.H.Immergut編集、John Wiley&Sons,Inc.出版、1975年から引用することができる。] [0055] Tgが少なくとも50℃である水溶性/親水性ポリマーは、機械的に安定であり、通常の温度範囲内で十分に温度安定性である固体分散物の調製を可能にし、したがって固体分散物は、打錠補助剤なしで、またはほんの少量の打錠補助剤と一緒に錠剤に加圧形成され得る。Tgが50℃未満である水溶性/親水性ポリマーも用いられ得る。] [0056] 本発明において用いられる(1つまたは複数の)水溶性/親水性ポリマーは、非結晶型において存在し、または室温(25℃)で非結晶性のマトリックスを形成することができるのが好ましい。これらの水溶性/親水性ポリマーの非限定的な例は、ビニルピロリドンのホモポリマー(例えば、FikentscherのK値が12から100までのPVP、またはFikentscherのK値が17から30までのPVP)、ならびにN−ビニルピロリドン(VP)30重量%から70重量%、および酢酸ビニル(VA)70重量%から30重量%のコポリマー(例えば、VP60重量%およびVA40重量%のコポリマー)を含む。] [0057] 本発明において用いられる打錠前材料(またはその中に含まれる固体分散物)は、薬学的に許容される界面活性剤または薬学的に許容される界面活性剤の組合せをさらに含むことができる。「薬学的に許容される界面活性剤」の語は、薬学的に許容される非イオン性の界面活性剤を意味する。] [0058] 一実施形態において、打錠前材料(またはその中に含まれる固体分散物)は、親水親油バランス(HLB)値が4から10までの、好ましくは7から9までの少なくとも1つの界面活性剤を含む。HLB系(Fiedler,H.B.、Encyclopaedia of Excipients、第5版、Aulendorf:ECV−Editio−Cantor−Verlag(2002年))は、数値を界面活性剤に帰属させるものとし、親油性物質はより低いHLB値を授けられ、親水性物質はより高いHLB値を授けられる。] [0059] HLB値が4から10までであり、本発明において用いるのに適する界面活性剤は、それだけには限定されないが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えば、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(5)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(5)ステアリルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、例えば、ポリオキシエチレン(2)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(3)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(3)オクチルフェニルエーテル;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、例えば、PEG−200モノラウレート、PEG−200ジラウレート、PEG−300ジラウレート、PEG−400ジラウレート、PEG−300ジステアレート、PEG−300ジオレエート;アルキレングリコール脂肪酸モノエステル、例えば、プロピレングリコールモノラウレート(Lauroglycol(登録商標));ショ糖脂肪酸エステル、例えば、ショ糖モノステアレート、ショ糖ジステアレート、ショ糖モノラウレート、ショ糖ジラウレート;またはソルビタンモノ脂肪酸エステル、例えば、ソルビタンモノラウレート(Span(登録商標)20)、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテート(Span(登録商標)40)もしくはソルビタンステアレート;またはこれらの任意の混合物を含む。ソルビタンモノ脂肪酸エステルが好ましく、ソルビタンモノラウレートおよびソルビタンモノパルミテートが特に好ましい。] [0060] 打錠前材料(またはそれに含まれる固体分散物)は、HLB値が4未満または10を超える、他の薬学的に許容される界面活性剤も含むことができる。これらの界面活性剤は、単独で、またはHLB値が4から10までである界面活性剤と組み合わせて、いずれかで用いられてよい。これらの界面活性剤の非限定的な例は、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、例えば、ポリオキシエチレングリセロールトリリシノレエートまたはポリオキシル35ヒマシ油(Cremophor(登録商標)EL、BASFCorp)、またはポリエチレングリコール40硬化ヒマシ油(Cremophor(登録商標)RH40)もしくはポリエチレングリコール60硬化ヒマシ油(Cremophor(登録商標)RH60)などのポリオキシエチレングリセロールオキシステアレート;エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマー、これらはポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーまたはポリオキシエチレンポリプロピレングリコールとしても知られているが、例えば、Poloxamer(登録商標)124、Poloxamer(登録商標)188、Poloxamer(登録商標)237、Poloxamer(登録商標)388、Poloxamer(登録商標)407(BASF Wyandotte Corp.);またはポリオキシエチレン(20)ソルビタンのモノ脂肪酸エステル、例えば、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(Tween(登録商標)80)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(Tween(登録商標)60)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート(Tween(登録商標)40)およびポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(Tween(登録商標)20)を含む。] [0061] 一実施形態において、本発明において用いられる打錠前材料(またはそれに含まれる固体分散物)は、2つまたはそれを超える界面活性剤を含み、打錠前材料(または固体分散物)中の界面活性剤全ての少なくとも50重量%のHLB値は4から10までである。打錠前材料(または固体分散物)中の界面活性剤全ての、少なくとも60、70、80、90重量%またはそれを超えて、HLB値が4から10までであるのが好ましい。] [0062] 固体分散物を作成するために様々な技術が用いられてよい。これらの技術は、それだけには限定されないが、溶融押出、噴霧乾燥、凍結乾燥および溶媒蒸発を含む。このように調製された固体分散物は、これらがすでに粉末形態である場合は錠剤に直接圧縮されてよく、または小粒子に粉砕もしくは研磨された後錠剤に圧縮されてもよい。さらなる成分は、また、固体分散物と混合された後研磨および/または錠剤に圧縮されてもよい。] [0063] 溶融押出の方法は、(1つまたは複数の)有効成分、(1つまたは複数の)ポリマーおよび場合により(1つまたは複数の)界面活性剤を含む溶融物を調製するステップ、ならびに溶融物が凝固するまで冷却するステップを典型的に含む。「溶融する」は、1成分が他の成分または(複数の)成分中に埋め込まれ、好ましくは均一に埋め込まれるのが可能である液体またはゴム状状態への転移を意味する。多くの場合において、(1つまたは複数の)ポリマー成分が溶融し、(1つまたは複数の)有効成分および(1つまたは複数の)界面活性剤を含む他の成分が溶融物中に溶解し、それによって溶液を形成する。溶融は、(1つまたは複数の)ポリマーの軟化点を超えて加熱することを通常伴う。溶融物の調製は、様々な方法において起こることができる。成分の混合は、溶融物の形成の前に、間に、または後に起こることができる。例えば、成分が最初に混合され、次いで溶融され、または同時に混合および溶融されてもよい。溶融物は、(1つまたは複数の)有効成分を効率的に分散させるために、また、均一化されてもよい。さらに、最初に(1つまたは複数の)ポリマーを溶融し、次いで(1つまたは複数の)有効成分中に混合し、均一にするのが便利であることがある。一例において、(1つまたは複数の)界面活性剤を除く全ての材料がブレンドされ、押出機中に送られ、一方、界面活性剤は外部で溶融され、押出しの間に汲み入れられる。] [0064] 別の一例において、溶融物は、水溶性ポリマーまたは水溶性ポリマーの組合せを含み、溶融温度は70℃から250℃までの範囲、好ましくは80℃から180℃までの範囲、極めて好ましくは100℃から140℃までの範囲である。] [0065] さらに別の一例において、溶融物は親水性ポリマーまたは親水性ポリマーの組合せを含み、溶融物温度は70から250℃までの範囲、好ましくは80から180℃までの範囲、極めて好ましくは100から140℃までの範囲である。] [0066] (1つまたは複数の)有効成分は、そのままで、またはアルコール、脂肪族炭化水素、エステル、もしくはいくつかの場合において液体二酸化炭素などの適切な溶媒中の溶液もしくは分散物として用いられてよい。溶媒は、例えば溶融物の調製時に蒸発させるなど、除去され得る。] [0067] 流動調節剤(例えば、コロイドシリカ)、結合剤、滑沢剤、充填剤、崩壊剤、可塑剤、着色剤または安定化剤(例えば、抗酸化剤、光安定化剤、ラジカルスカベンジャーおよび微生物の攻撃に対する安定化剤)などの様々な添加剤が、溶融物中に含まれてよい。] [0068] 溶融および/または混合は、この目的に対して慣例的である装置において起こることができる。特に適するものは、押出機または捏和機である。適切な押出機は、単軸押出機、噛合いスクリュー押出機または多軸押出機、好ましくは2軸押出機を含み、これらは同時回転し、または反対方向回転し、場合によりニーディングディスクを装備されていてよい。作動温度は、押出機の種類によって、または用いられる押出機内の配置の種類によって決定されることが理解されよう。押出機における成分を溶融、混合および溶解するのに必要とされるエネルギーの部分は、発熱体によって提供されてよい。しかし、押出機における材料の摩擦およびせん断も、かなりの量のエネルギーを混合物に提供し、成分の均一な溶融物の形成における補助を提供することがある。] [0069] 溶融物は、薄いものからペースト状から粘性までの範囲であってよい。押出物の成形は、その表面上で相互に適合するくぼみで、2つの逆回転するローラーを有する光沢機によって好都合に行われてよい。押出物は冷却され、凝固されてよい。押出物は、また、凝固の前(ホットカット)または後(コールドカット)のいずれかに、片に切断されてよい。] [0070] 凝固された押出製品は、さらに、粉砕され、研磨され、または他の方法で顆粒に切り詰められてよい。凝固された押出物同様、各顆粒は、(1つまたは複数の)ポリマーおよび場合により(1つまたは複数の)界面活性剤からなるマトリックス中に、(1つまたは複数の)有効成分の固体分散物、好ましくは固溶液を含む。これらの顆粒は、ダイ中に直接供給され、錠剤に加圧成形される。あるいは、これらの顆粒は、ダイ充填および加圧成形の前に他の(1つもしくは複数の)有効成分および/または(1つもしくは複数の)添加剤とブレンドされてよい。これらのさらなる添加剤は、例えば、流動調節剤、崩壊剤および増量剤(充填剤)であってよい。崩壊剤は、胃における錠剤の速やかな崩壊を促進し、遊離される顆粒の相互の分離を維持する。適切な崩壊剤は、それだけには限定されないが、架橋されているポリマー、例えば、架橋されているポリビニルピロリドンおよび架橋されているカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む。適切な増量剤(「充填剤」とも呼ばれる)は、例えば、ラクトース、リン酸水素カルシウム、微結晶セルロース(Avicel(登録商標))、ケイ酸塩、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、タルク、バレイショデンプンもしくはコーンスターチ、イソマルト(isomalt)またはポリビニルアルコールから選択されてよい。適切な流動調節剤は、それだけには限定されないが、高度に分散されたシリカ(Aerosil(登録商標))、および動物性または植物性の脂肪またはロウを含む。アゾ染料などの染料、酸化アルミニウムもしくは二酸化チタンなどの有機もしくは無機色素、または天然起源の染料;および抗酸化剤、光安定化剤、ラジカルスカベンジャー、もしくは微生物の攻撃に対する安定化剤などの安定化剤などの他の添加剤もダイ充填前に加えられてよい。] [0071] 押出製品は、顆粒に粉砕または研磨される前に、他の(1つもしくは複数の)有効成分および/または(1つまたは複数の)添加剤とブレンドされてもよい。] [0072] 押出物から作成された顆粒が、圧縮用のダイ中に供給される前にいかなる滑沢剤ともブレンドされないのが好ましい。顆粒がいかなる添加剤または他の成分ともブレンドされずに、ダイ中に直接供給され、錠剤に加圧成形されるのがより好ましい。] [0073] 噴霧乾燥は、液体混合物を小型の液滴に分割し、液滴から溶媒を蒸発するための強力な推進力が存在する場合、容器(噴霧乾燥装置)中で混合物から溶媒を速やかに除去することを伴う。溶媒を蒸発するための強力な推進力は、噴霧乾燥装置における溶媒の分圧を、液滴を乾燥する温度の溶媒の蒸気圧未満に維持することによってもたらされることが多い。これは、(1)噴霧乾燥装置における圧力を部分真空に維持することによって、(2)液体の液滴を暖かい乾燥ガスと混合することによって、または(3)両方のいずれかによって遂行され得る。] [0074] 本発明に適する噴霧乾燥装置は、様々な市販の装置の任意のものであってよい。具体的な噴霧乾燥装置の非限定的な例は、Niro Inc.、Buchi Labortechnik AGおよびSpray Drying Systems,Incによって製造されているものを含む。噴霧乾燥方法および噴霧乾燥機器は、Perry’s Chemical Engineers’ Handbook、第6版、(R.H.Perry、D.W.Green、J.O.Maloney編集)McGraw−Hill Book Co.、1984年、20−54から20−57頁に概ね記載されている。噴霧乾燥方法および機器についてさらなる詳細は、Marshall、「Atomization and Spray Drying」、50 Chem.Eng.Prog.Monogr.シリーズ2(1954年)によって概説されている。これら参考文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。] [0075] 溶融押出および噴霧乾燥および他の固体分散技術の他に、打錠前材料は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるE.RudnicおよびJ. Schwartz、「Oral Solid Dosage Forms」、REMINGTON’SPHARMACEUTICAL SCIENCE(第18版、1990年)、第89章、1641−1645頁において記載されている湿式造粒、乾式造粒または流動床造粒などの他の方法を用いて調製されてもよい。打錠前材料における成分は全て、それから作成された錠剤の(1つまたは複数の)有効成分の分布が平均し、各錠剤における(1つまたは複数の)有効成分の量がほぼ同じであるように、よく顆粒化され、混合されるのが好ましい。(1つもしくは複数の)有効成分、(1つもしくは複数の)ポリマーおよび場合により(1つもしくは複数の)界面活性剤および/または他の添加剤が簡単な混合によって十分に均一な混合物を形成することができる場合、これら成分の簡単な混合物は、ダイ充填および錠剤圧縮用の打錠前材料として直接用いられ得る(直接圧縮)。] [0076] 様々なサイズの顆粒が、本発明にしたがって錠剤に加圧成形されてよい。打錠前材料における顆粒のサイズが実質的に均一であるのが好ましい。打錠前材料における顆粒の平均粒子サイズは、例えば、10μmから1000μmまでなどの範囲であってよい。例えば、顆粒の平均粒子サイズは、50μmから100μmまで、100μmから200μmまで、200μmから300μmまで、300μmから400μmまで、400μmから500μmまで、500μmから600μmまで、または600μmから700μmの範囲であってよい。一実施形態において、打錠前材料における顆粒の少なくとも90%は、700μmより小さい(または600、500、400、300、200もしくは100μmより小さい)。別の一実施形態において、打錠前材料における顆粒の少なくとも90%は、10μmより大きい(または20、50、100、150もしくは200μmより大きい)。なお別の一実施形態において、打錠前材料における顆粒の少なくとも75%の粒子サイズは10μmから300μmである(または100μmから700μmまで、もしくは30μmから600μmまでである)。] [0077] 粒子サイズ分布は、篩分析または当業者によって認められている他の手段によって測定され得る。例示の篩分析は、開口サイズの異なる篩の使用を伴う。篩は、上部の篩の開口が最も広く、カラムにおける下部の各篩が上の篩よりも開口の小さいカラムに組み立てられ得る。カラムは機械のシェーカー中に配置されてよい。シェーカーは、予め決定された時間の間、カラムを振り動かす。振り動かすのが完了した後、各篩上の材料の重量を測定する。次いで、各篩の試料の重量を、全重量によって除すと、各篩上に保持されたパーセント値が得られる。平均粒子サイズは、等式1を用いて計算され得る:] [0078] [式中、C1は50%より大きい粒子の累積パーセント値であり、C2は50%より小さい粒子の累積パーセント値であり、S1は50%より大きい累積パーセント値を有する粒子のサイズであり、S2は50%より小さい累積パーセント値を有する粒子のサイズである]。] [0079] 打錠前材料が小さいサイズの顆粒を含み、比較的低い圧力で圧縮される場合、圧縮が滑沢化されていないダイにおいて滑沢化されていないパンチを用いて行われる場合でも、得られる錠剤は、著しく低い検出可能な内部破壊を含むことがあり、または検出可能な内部破壊を含まないことがある。したがって、本発明は、顆粒状の打錠前材料から錠剤を作製する方法を特徴とし、打錠前材料における顆粒の90%は400μmより小さく、好ましくは300μmより小さく、極めて好ましくは200μmより小さく、最も好ましくは100μmより小さい。さらに、本発明は、顆粒状の打錠前材料から錠剤を作製する方法を特徴とし、顆粒状の打錠前材料の平均粒子サイズは、200μmを超えず、好ましくは150μmを超えず、より好ましくは100μmを超えない。これらの方法は、ダイにおいて打錠前材料を圧縮して錠剤を形成するステップ、およびダイから錠剤を排出するステップを含む。ダイの内部表面またはパンチの圧縮表面は、滑沢化されていてもよく、または滑沢化されていなくてもよい。この方法において用いられる圧縮圧力が、25、20または15kN/cm2を超えないなど、30kN/cm2を超えないのが好ましい。] [0080] 一態様において、本発明は、マトリックス中に少なくとも1つの治療薬の固体分散物を含む打錠前材料の使用を特徴とし、前記少なくとも1つの治療薬は、(1)リトナビルまたは(2)リトナビルおよび別の治療薬(例えば、ロピナビルまたはチトクロームP450オキシダーゼによって代謝され、もしくはP−糖タンパク質によって輸送される治療薬)を含み、前記マトリックスは1つもしくは複数の薬学的に許容される親水性ポリマー(または1つもしくは複数の薬学的に許容される水溶性ポリマー)を含む。打錠前材料が(1)1トン/cm2に等しくもしくはそれを超える圧力で圧縮した場合、変性もしくは不活性化される任意の治療薬、(2)1トン/cm2に等しくもしくはそれを超える圧力で圧縮した場合、その溶出が遅延される任意の低分子有効成分、または(3)ダイの内部表面および/もしくは圧縮表面上に用いられる(1つもしくは複数の)滑沢剤によって影響を及ぼされる任意の治療薬を含まないのが好ましい。] [0081] 本発明のこの態様において用いられる打錠前材料は、例えば、少なくとも50重量%の前記1つまたは複数の水溶性/親水性ポリマーを含むことができる。打錠前材料が、少なくとも60重量%、65重量%または70重量%の前記1つまたは複数の水溶性/親水性ポリマーを含むのが好ましい。前記1つまたは複数の水溶性/親水性ポリマーの各々のTgが少なくとも50℃であるのが好ましい。前記1つまたは複数の水溶性/親水性ポリマーの各々のTgが80℃から180℃までであるのがより好ましい。Tgが50℃未満である水溶性/親水性ポリマー、および/または水不溶性のポリマーもマトリックス中に含まれてよい。] [0082] マトリックスは、1つまたは複数の薬学的に許容される界面活性剤をさらに含むことができる。打錠前材料は、例えば、1重量%から30重量%までの前記1つまたは複数の界面活性剤を含むことができる。打錠前材料が、2重量%から20重量%までの前記1つまたは複数の界面活性剤を含むのが好ましい。前記1つまたは複数の界面活性剤の各々のHLB値が4から10までであるのが好ましい。HLB値が4未満であり、または10を超える界面活性剤も用いられてよい。打錠前材料が2つまたはそれを超える界面活性剤を含む場合、打錠前材料における界面活性剤全ての総重量をベースにして、界面活性剤全ての少なくとも50重量%が4から10までの(1つまたは複数の)HLB値を有する。] [0083] 本明細書上記に記載した任意の水溶性/親水性ポリマーおよび界面活性剤が、本発明のこの態様において用いられてよい。好ましい水溶性/親水性ポリマーは、コポビドンなど、N−ビニルピロリドンのホモポリマーまたはコポリマーを含む。好ましい界面活性剤は、ソルビタンモノラウレートなど、ソルビタンモノ脂肪酸エステルを含む。本発明のこの態様において用いられるマトリックスは、コロイド状二酸化ケイ素など、他の(1つまたは複数の)添加剤も含むことができる。] [0084] 本発明のこの態様において用いられる打錠前材料は、好ましくは、粒子を含む顆粒状または粉末状の材料であり、各粒子は、前記マトリックス中に前記少なくとも1つの治療薬の固体分散物を含む。固体分散物は、好ましくは固溶液またはガラス状溶液である。マトリックスは、好ましくは、その中に前記少なくとも1つの治療薬(例えば、リトナビル、またはリトナビルおよび別の治療薬)が分子状に分散されている非結晶性のマトリックスである。打錠前材料が溶融押出によって調製されるのがより好ましい。一例において、溶融押出は、(1)前記少なくとも1つの治療薬、前記1つまたは複数の水溶性/親水性ポリマー、および場合により前記1つまたは複数の界面活性剤を含む溶融物を調製するステップ、(2)前記溶融物を凝固するステップ、ならびに(3)前記溶融物を粉砕または研磨して打錠前材料を提供するステップを含む。固体分散物を調製するための噴霧乾燥および他の方法も、本発明のこの態様の打錠前材料を調製するのに用いられてよい。] [0085] 本発明のこの態様において用いられる打錠前材料は、例えば、少なくとも1、5、10、15または20重量%リトナビルを含むことができる。多くの場合において、打錠前材料は、1重量%から50重量%までのリトナビルを含む。打錠前材料が1重量%から20重量%までのリトナビルを含むのが好ましい。一例において、打錠前材料は、打錠前材料の全重量に対して、3重量%から30重量%のリトナビル、またはリトナビルおよび別の治療薬、2重量%から20重量%までの前記1つまたは複数の界面活性剤、ならびに少なくとも50重量%の前記1つまたは複数の水溶性/親水性ポリマーを含み、前記界面活性剤の各々のHLB値が4から10までであるのが好ましく、前記ポリマーの各々のTgが少なくとも50℃であるのが好ましい。本発明のこの態様に適する打錠前材料の具体的な例は、米国特許出願公開第20050084529号の表1および2ならびに実施例1−7において見ることができる。] [0086] 本発明のこの態様にしたがって作成される錠剤は、好ましくは、イヌにおいて、非絶食条件下、少なくとも5μg・h/ml/100mgの、例えば、少なくとも9、10、15または20μg・h/ml/100mgのリトナビル血漿濃度の投与量調節されたAUCを示す。] [0087] このように作成された錠剤はしばしば優れた安定性を特徴とし、リトナビルおよび/または他の(1つもしくは複数の)有効成分の再結晶または分解に対して高い耐性を示す。多くの場合において、40℃および湿度75%で6週間貯蔵した場合(例えば、乾燥剤なしで高密度ポリエチレン(HDPE)ボトル中に保持した場合)、錠剤は、リトナビルおよび(1つまたは複数の)他の有効成分の最初の含有量の少なくとも98%を含み(HPLC分析によって証明されるように)、結晶化のいかなる兆候も示さない(近赤外線分光法、示差走査熱量測定または広角エックス線散乱分析によって証明されるように)。] [0088] 本発明のこの態様の一実施形態において、打錠前材料は、リトナビルおよびロピナビルの固体分散物を含む。打錠前材料は、例えば、少なくとも5、10、15、20、25、30、35または40重量%のロピナビルを含むことができる。打錠前材料が5重量%から40重量%までのロピナビルを含むのが好ましい。一例において、打錠前材料は1重量%から10重量%までのリトナビルおよび4重量%から40重量%までのロピナビルを含む。リトナビルのロピナビルに対する比率は、例えば1:1から1:8までの範囲であってよく、リトナビルのロピナビルに対する好ましい比率は1:4である。リトナビル/ロピナビルの組合せの非限定的な例は、2%リトナビルおよび8%ロピナビル、4%リトナビルおよび16%ロピナビル、または8%リトナビルおよび32%ロピナビルを含む。] [0089] 好ましくはこの打錠前材料から作成された錠剤が、イヌにおいて、非絶食条件下、少なくとも5μg・h/ml/100mg(例えば、少なくとも9、10、15または20μg・h/ml/100mg)のリトナビル血漿濃度の投与量調節されたAUCを示し、少なくとも15μg・h/ml/100mg(例えば、少なくとも20、22.5、25、30、35、40、45または50μg・h/ml/100mg)のロピナビル血漿濃度の投与量調節されたAUCを示す。例えば、AUCが全て、イヌにおいて、非絶食条件下で測定された場合、錠剤は、少なくとも5μg・h/ml/100mgのリトナビル血漿濃度の投与量調節されたAUCおよび少なくとも15μg・h/ml/100mgのロピナビル血漿濃度の投与量調節されたAUCを示し、または少なくとも9μg・h/ml/100mgのリトナビル血漿濃度の投与量調節されたAUCおよび少なくとも20μg・h/ml/100mg(好ましくは、少なくとも22.5μg・h/ml/100mg、最も好ましくは、少なくとも35μg・h/ml/100mg)のロピナビル血漿濃度の投与量調節されたAUC、または少なくとも10μg・h/ml/100mgのリトナビル血漿濃度の投与量調節されたAUCおよび少なくとも40μg・h/ml/100mgのロピナビル血漿濃度の投与量調節されたAUCを有してよい。] [0090] 本明細書で用いられる「AUC」は、問題の錠剤が非絶食条件下のイヌ(ビーグル犬)に経口投与された場合、0時間から24時間までの血漿濃度時間曲線下の面積(AUC)を意味する。「非絶食条件」は、試験前期間および全試験期間の間、イヌが栄養のバランスの取れた毎日の飼料を摂取することを意味する。AUCは、濃度×時間の単位である。実験上の濃度−時間点が決定したら、AUCは、例えば、コンピュータプログラムによって、または台形法によって、簡単に計算され得る。AUCデータは全て、100mg投与量レベルに対して投与量調節される。本明細書の目的では、AUCが投与量と比例して増大する場合、AUCが投与量範囲内で測定されるのが好ましい。ビーグル犬における経口バイオアベイラビリティ試験に対するプロトコールおよびAUC計算は、その内容が全て参照により本明細書に組み込まれる米国出願公開第20050084529号において記載されている。] [0091] 本発明のこの態様の別の一実施形態において、打錠前材料は、リトナビルの固体分散物、およびその薬物動態がリトナビルによって改善され得る別の治療薬を含む。リトナビルは、P450 3A4イソメラーゼ(CYP3A4)など、チトクロームP450オキシダーゼを阻害することができることが示されている。その結果、リトナビルのチトクロームP450オキシダーゼ(例えば、CYP3A4)によって代謝される薬物との同時投与は、薬物の薬物動態を増強することがある。その全文が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,037,157号を参照されたい。本明細書で用いられる、薬物動態の改善は、Cmax(最高血漿レベル)、Tmax(最高血漿レベルまでの時間)、薬物のAUCもしくは血漿半減期の改善、または血液、肝臓もしくは別の組織中の薬物のレベルの改善を意味する。リトナビルによってその薬物動態が改善され得る薬物の非制限的な例は、米国特許第6,037,157号に記載されている。一般に、錠剤中のリトナビルの量は、同時配合された(1つまたは複数の)薬物のインビボの薬物動態を高めるのに十分である。] [0092] 本発明のこの態様のさらに別の一実施形態において、打錠前材料は、リトナビルの固体分散物、およびCYP3A4などのチトクロームP450オキシダーゼによって代謝される別の治療薬を含む。これら治療薬の例は、それだけには限定されないが、免疫調節薬(例えば、シクロスポリンもしくはFK−506)、抗癌薬または化学療法薬(例えば、タキソールもしくはタキソテール)、抗生物質(例えば、クラリスロマイシン、エリスロマイシンもしくはテリスロマイシン)、抗ウイルス薬(例えば、インジナビル、アタザナビル、ロピナビル、ネルフィナビル、サキナビル、] [0093] (化合物VX−950、Vertex Pharmaceuticals Inc.)、] [0094] (化合物SCH503034、Schering−Plough Co.)、] [0095] (化合物GS9137、Gilead Sciences,Inc.、FosterCity、CA))、抗ヒスタミン薬(例えば、アステミゾール、クロルフェニラミンもしくはテルフェニジン(terfenidine))、カルシウムチャンネルブロッカー(例えば、アムロジピン、ジルチアゼム、フェロジピン、レルカニジピン、ニフェジピン、ニソルジピン、ニトレンジピンもしくはベラパミル)、βブロッカー(例えば、カルベジロール、S−メトプロロール、プロパフェノンもしくはチモロール)、抗うつ薬(例えば、アミトリプチリン、クロミプラミン、デシプラミン、イミプラミンもしくはパロキセチン)またはこれらのプロドラッグを含む。] [0096] 本発明のこの態様のなお別の一実施形態において、打錠前材料は、リトナビルの固体分散物、およびP−糖タンパク質によって輸送される別の治療薬を含む。P−糖タンパク質は、ATP−結合性カセットサブファミリーBメンバー1としても知られており、基質特異性の広いATP依存性排出ポンプである。P−糖タンパク質は、腸の内壁となる細胞および血液−組織バリアを含む細胞などの様々な細胞において発現される。P−糖タンパク質は、膜トランスポーターとして機能し、細胞質から様々な薬物を汲み出すことができ、それによってこれら薬物のバイオアベイラビリティを低減すると考えられている。P−糖タンパク質は多剤耐性に関与するとも考えられている。リトナビルはP−糖タンパク質の活性を阻害することができる。したがって、リトナビルの、P−糖タンパク質の基質である薬物との同時投与は、薬物の吸収またはバイオアベイラビリティを改善することができる。P−糖タンパク質によって輸送され得る薬物は、それだけには限定されないが、多数のHIVプロテアーゼおよび逆転写酵素の阻害薬、化学療法薬、ステロイド、生体異物および免疫抑制薬を含む。] [0097] 本発明は、リトナビルの固体分散物および別の治療薬の固体分散物を含む、打錠前材料の使用も企図するものである。リトナビルの固体分散物および他の治療薬の固体分散物は別々に調製され、次いで合わせられて打錠前材料が提供され得る。リトナビルの固体分散物および他の治療薬の固体分散物は、同じ(1つもしくは複数の)ポリマーおよび/もしくは添加剤を用いて、または異なる(1つもしくは複数の)ポリマーおよび/もしくは添加剤を用いて調製されてよい。] [0098] 別の一態様において、本発明は、マトリックス中に少なくとも1つの治療薬の固体分散物を含む打錠前材料を特徴としており、前記少なくとも1つの治療薬はHIVまたはHCVのプロテアーゼの阻害薬を含み、前記マトリックスは、1つもしくは複数の薬学的に許容される親水性ポリマー(または1つもしくは複数の薬学的に許容される水溶性ポリマー)、および場合により、1つもしくは複数の薬学的に許容される界面活性剤を含む。一実施形態において、打錠前材料は、全打錠前材料の5重量%から30重量%までの(好ましくは10重量%から25重量%までの)HIVまたはHCVのプロテアーゼの阻害薬(またはHIVもしくはHCVのプロテアーゼの阻害薬の組合せ)、全打錠前材料の少なくとも50重量%の(好ましくは50重量%から80重量%までの、より好ましくは60重量%から80重量%までの)前記1つまたは複数の水溶性/親水性ポリマー、全打錠前材料の2重量%から20重量%の(好ましくは3重量%から15重量%までの)前記1つまたは複数の界面活性剤、および全打錠前材料の0重量%から15重量%までの1つまたは複数の他の添加剤を含む。] [0099] 本発明において用いるのに適するHIVプロテアーゼ阻害薬は、それだけには限定されないが、リトナビル、ロピナビル、インジナビル、サキナビル、5(S)−Boc−アミノ−4(S)−ヒドロキシ−6−フェニル−2(R)フェニルメチルヘキサノイル−(L)−Val−(L)−Phe−モルホリン−4−イルアミド、1−ナフトキシアセチル−β−メチルチオ−Ala−(2S,3S)3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−ブタノイル−1,3−チアゾリジン−4t−ブチルアミド、5−イソキノリノキシアセチル−β−メチルチオ−Ala−(2S,3S)−3アミノ−2−ヒドロキシ−4−ブタノイル−1,3−チアゾリジン−4−tブチルアミド、[1S−[1R−(R−),2S*]]−N1[3−[[[(1,1−ジメチルエチル)アミノ]カルボニル](2−メチルプロピル)アミノ]−2ヒドロキシ−1−(フェニルメチル)プロピル]−2−[(2−キノリニルカルボニル)アミノ]−ブタンジアミド、アンプレナビル(VX−478)、DMP−323、DMP−450、AG1343(ネルフィナビル)、アタザナビル(BMS 232,632)、チプラナビル、パリナビル、TMC−114、RO033−4649、ホスアンプレナビル(GW433908)、P−1946、BMS186,318、SC−55389a、BILA1096BSおよびU−140690を含む。本発明において用いるのに適するHCVプロテアーゼ阻害薬は、それだけには限定されないが、VX−950、化合物SCH503034、ITMN−l91/R7227およびTMC435350を含む。] [0100] 本発明にしたがって作成される錠剤は、好ましくは、同じ打錠前材料から滑沢化されていないダイおよびパンチを用いて作成される錠剤に比べて著しく少ない内部破壊を含む。本発明にしたがって作成される錠剤が、XMTによって検出されるいかなる内部破壊も含まないのがより好ましい。] [0101] 本発明は、上記に記載したマトリックス中に少なくとも1つの治療薬の固体分散物を含む錠剤も特徴としており、錠剤はいかなる滑沢剤も含まず、またはごくわずかな量の(1つもしくは複数の)滑沢剤を含み、錠剤は(1)1トン/cm2に等しくもしくはそれを超える圧力で圧縮した場合、変性もしくは不活性化される任意の治療薬、(2)1トン/cm2に等しくもしくはそれを超える圧力で圧縮した場合、その溶出が遅延される任意の低分子有効成分、または(3)(あるとすれば)錠剤中に含まれる(1つもしくは複数の)滑沢剤、またはダイ壁および/もしくは圧縮表面上に用いられる任意の滑沢剤によって影響を及ぼされる任意の治療薬を含まない。成分を有する錠剤が、他の点では同一に調製された錠剤が成分を有さない以外、後者と検出可能な構造上の相違がない場合、本明細書で用いられる錠剤中の成分は「わずかな」量である。本明細書に記載される任意の治療薬または(複数の)治療薬が、このような錠剤中に配合されてよい。] [0102] さらに、本発明は、上記に記載したマトリックス中に少なくとも1つの治療薬の固体分散物を含む錠剤も特徴としており、錠剤はいかなる滑沢剤も含まず、または錠剤中の(1つもしくは複数の)滑沢剤の総量は錠剤の0.5重量%未満であり、錠剤は(1)1トン/cm2に等しくもしくはそれを超える圧力で圧縮した場合、変性もしくは不活性化される任意の治療薬、(2)1トン/cm2に等しくもしくはそれを超える圧力で圧縮した場合、その溶出が遅延される任意の低分子有効成分、または(3)(あるとすれば)錠剤中に含まれる(1つもしくは複数の)滑沢剤、またはダイ壁および/もしくは圧縮表面上に用いられる任意の滑沢剤によって影響を及ぼされる任意の治療薬を含まない。いくつかの場合において、錠剤中の(1つまたは複数の)滑沢剤の総量は、錠剤の0.25重量%未満である。錠剤中の(1つまたは複数の)滑沢剤の総量が、錠剤の0.01重量%、0.05重量%、0.01重量%未満またはそれより少ないのが好ましい。本明細書に記載する任意の治療薬または(複数の)治療薬は、このような錠剤中に配合され得る。] [0103] 哺乳動物による錠剤の摂取を促進するために、錠剤に好適な形状を与えるのが有利である。したがって、楽に嚥下され得る大型の錠剤は、丸い形状より細長い形状が好ましい。] [0104] 錠剤上のフィルムコーティングは、それが飲み込まれ得る容易さにさらに貢献し得る。フィルムコーティングは味を改善することもでき、上品な外見をもたらすこともできる。所望により、フィルムコーティングは腸溶コーティングであってよい。フィルムコーティングは、通常、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよび/またはアクリレートもしくはメタクリレートのコポリマーなどの、ポリマー性のフィルム形成性材料を含む。フィルム形成性ポリマーの他に、フィルムコーティングは、可塑剤(例えば、ポリエチレングリコール)、界面活性剤(例えば、Tween(登録商標)タイプ)および場合により色素(例えば、二酸化チタンまたは酸化鉄)をさらに含むことができる。フィルムコーティングは、接着防止剤としてタルクも含むことができる。フィルムコーティングは、通常、剤形の5重量%未満を占める(フィルムコーティングが制御放出コーティングまたは活性コーティングでない場合)。] [0105] 正確な投与量および投与の頻度は、特定の患者の処置される状態、年齢、体重および全身の身体状態、ならびに個体が受けている可能性のある他の薬物治療に依存する。] [0106] 錠剤上の滑沢剤の(1つまたは複数の)層の存在は、2次イオン質量分析法(SIMS)または他の適切な技術を用いて検出されてよい。SIMSは、エネルギー性の1次粒子が表面に衝撃を与えた場合、表面から放出されるイオン化粒子の質量分析法である。典型的にはGa+、Cs+およびO−などの液体金属イオンである、1−25keVのエネルギーを有するパルス標識された1次イオンを用いて試料表面に衝撃を与え、表面からの2次元素イオンまたはクラスターイオンの放出をもたらすことができる。次いで、2次イオンは、無電界ドリフト領域中に、静電気的に加速される。質量のより低いイオンほど、質量のより高いイオンよりも飛行速度が速い。したがって、これらは2次イオン検出器により早く到着する。その結果、試料から検出器への飛行時間tにおいて、質量分離が得られる。時系列で検出器によって様々な質量イオンが記録されて、SIMSスペクトルが得られる。] [0107] 上記に記載した実施形態および以下の実施例は、限定的ではなく、例示によってもたらされることを理解されたい。本発明の範囲内の様々な変更および改変は、当業者には本発明の記載から明らかになる。] [0108] 高パーセント値のポリマー性賦形剤を含む錠剤の圧縮は、相当な難題を提起する。以下に実証するように、ポリマーは、加圧成形後著しい体積の膨張を有し、内部の微小亀裂の伝播および大型のせん断平面をもたらすことがある。ポリマーは、また、高い壁面摩擦を表すこともある。本発明をいかなる特定の理論に制限するものではないが、これらの効果の組合せは、錠剤の圧縮の間または貯蔵時の構造的欠陥をもたらすことがあることが想定される。] [0109] 錠剤の製造において用いられる通常の賦形剤に比べた場合、ポリマーは著しく高い弾性回復を示す。XMT画像は、ポリマーベースの錠剤内部に発生した、内部せん断破壊平面を指摘していた。さらに、圧縮力の増大とともに、破壊平面は適用された力に対して垂直に整列された。このせん断破壊平面の再整列は、方法において破壊を著しく生成し得る。さらに、粒子サイズ分布は、錠剤内部の内部せん断破壊平面の形成を著しく変えることもできる。微細粒子は、粗製粒子に比べてせん断破壊平面の低減を示した。] [0110] 内部破壊平面と作業変数との間の強力な依存は、粒子サイズ分布と加圧成形の荷重同様、以下にやはり実証される。加圧成形の間に適用された力が増大すると、内部せん断破壊平面は再配列する。これは、キャッピングまたは剥離に対する前兆として働く。加圧成形のシミュレーションおよびXMTの組合せは、方法における破壊に対する傾向を評価するための優れたツールを提供する。] [0111] 内部構造の欠陥は、目視検査によって検出されないままのことが多い。欠陥は、圧縮後加工の間、キャッピングをもたらすことがある。本発明は、非破壊的なやり方で錠剤の内部構造を分析した。エックス線マイクロトモグラフィーは錠剤の内部構造を見ることができ、錠剤内部の構造的不等性を理解し、それによって製造の間のキャッピングの発生を排除するための操作パラメータの改変を可能にするのに用いられた。本明細書以下に記載される機器は、分解能2ミクロンであり、最高2cmの試料サイズを収容することができる。製造における操作パラメータを(加圧成形シミュレーターを用いて)内部構造の欠陥に連結する分析は、方法の最適化を可能にし、したがって錠剤のキャッピングは最小にされ、または防止され得る。] [0112] 手順 錠剤を、Presster加圧成形シミュレーター(Metropolitan Computing Corp.、New Jersey、米国)上で圧縮した。Skyscanエックス線マイクロトモグラフ(モデルSkyscan 1172、SKYSCAN、ベルギー)を用いてスキャンを生成した。] [0113] Pressterシミュレーターは、回転式加圧成形プレスを模倣する線状の加圧成形シミュレーターである。ホッパーが、係合直前にダイ中に吐出される粉末を保持する。ダイおよびパンチは線状のレール上を移動し、底部パンチの下に位置する傾斜が、加圧成形および排出の間、底部パンチを持ち上げる。これは、必要な圧縮力を作り出すために上部パンチ上に係合している2個の歯車を有する。歯車は、手操作により、または電気的に低くされまたは高くされて加圧成形力を増大または低減することができる。ダイテーブルの動きの線速度を変更することによって、滞留時間を変化させることができる。このシステムは、ロータリープレスを再現する上で用途が広い。本明細書に記載される試験では、加圧成形前に対する運転荷重は9kNに設定された。加圧成形力は36kNから42kNから48kNまで変化した。] [0114] 押出しの間にSpan20を加える以外は、押出物を、米国特許出願公開第20050084529号の実施例2および3にしたがって調製した。米国特許出願公開第20050084529号の内容全てが、参照により本明細書に組み込まれる。押出物および押出後ブレンドの組成を表1に記載する。] [0115] ] [0116] 押出物を所望の粒子サイズ分布に粉砕した。粉砕した押出物(本明細書以後、目標の粉砕押出物)の粒子サイズ分布を図2Aに示す。微細押出物および粗製押出物は、170ミクロンメッシュ(上部の切片は粗い)を用いて目標の粉砕押出物を篩うことによって分離され、これらの粒子サイズ分布を、それぞれ図2Bおよび2Cに表す。] 図2A 図2B [0117] 粉砕押出物とは別に、Avicel(登録商標)PH101(微結晶性セルロース、FMCBioPolymer、Philadelphia、PA)およびファストフローラクトース(fast flow lactose)を分析用に用いた。Avicel(登録商標)PH101は可塑性のために圧縮が容易である材料であると歴史的にみなされているが、純粋なラクトースは脆性であり、打錠方法にとっては非常に取り組みがいがある。] [0118] オンライン滑沢化システム オンライン滑沢化ユニットFettePKB2(FETTEGMBH、Hamburg、ドイツ)を用いてダイ壁を滑沢化した。システムは、(1つまたは複数の)滑沢剤(例えば、フマル酸ステアリルナトリウム)の一定流量を可能にするロス−イン−ウエイトフィーダー、打錠前粉末でダイを充填する前に(1つまたは複数の)滑沢剤をプレスチャンバー(press chamber)の表面上に霧状にし、噴霧するためのスリットノズル、ならびに圧縮方法の間、制御できないダストの曝露を避けるためにローターおよびダイから過剰の(1つまたは複数の)滑沢剤を除去するためのサクション装置を含む。フィーダーからノズルまでの材料の流れは、加圧空気によって行われ、または制御された。両方の成分は、柔軟な管によって連結された。] [0119] 噴霧速度は調節することができ、実測値が表示された。通常の圧縮方法に対して、供給速度は、圧縮されるべき粉末ブレンドの性質および他のファクターに応じて1時間あたり100−800グラムの範囲であった。供給サイクルの開始および停止は手操作によって制御することができ、またはFette制御端末に接続されている場合は、錠剤プレスの開始/停止シグナルと自動的に直列であることができる。最高3kgの滑沢剤を保持する滑沢剤容器の装填は、手操作の方法である。] [0120] Presster加圧成形シミュレーション 加圧成形シミュレーションの間、1つの意義深い観察は錠剤の弾性回復が高いことであった。これは、滑沢化されたブレンド(表1に示す通り、フマル酸ステアリルナトリウムおよびコロイド状二酸化シリコンとブレンドされた目標の粉砕押出物)ならびに滑沢化されていないブレンドに対する様々な加圧成形力の材料に対する、力対置換のグラフから観察された。様々な理由が、この挙動に起因し得る。材料がその最大塑性変形を経験したかもしれないので、高い加圧成形力の適用が、この所見に寄与し得る1つのファクターであり得る。材料が過剰に圧縮される場合、上部パンチが跳ね返る傾向は、弾性回復の値が高い理由でもあり得る。パンチのデザインも高い弾性回復の一因であり得る。さらに、弾性回復は滑沢化されたブレンドと滑沢化されていないブレンドの間で異なり、過剰に滑沢化された(すなわち滑沢化されたブレンドにおけるのと同じ量の(1つまたは複数の)滑沢剤とブレンドされたが、ブレンド方法に長時間かかった)ブレンドと滑沢化されたブレンドの弾性回復の間には著しい相違はなかった。滑沢化されていない錠剤に対して14.2の弾性回復が観察され、Avicelおよびラクトースに対してこれらの値はそれぞれ7および6.4であった。滑沢化されていないブレンドの弾性回復が高いというこの知見は、方法におけるキャッピングの性向を示すものであった。] [0121] 加圧成形の間の材料の密度および厚さの変化を用いて、Heckelプロットを構築した。Heckelプロットからの1つの知見は、粉砕押出物に対する加圧成形の最初の段階において主要な変形がないということだった。勾配における最初の変動は、再構成に起因するものであり、試験されたポリマー含有製剤においてほとんど非存在であった。これはおそらく、弾性に起因する個々の粒子の大きな変形によるものであるかもしれず、または粒子間の滑りを防ぐ大きな粒子間摩擦によるものであるかもしれない。このように高い圧縮でも、ファストフローラクトースおよびAvicel(登録商標)PH101はこれらの変形を示した。] [0122] 材料の弾性が高いことは、Heckelプロットから確認された。様々な材料に対して水平から偏りがあることが、この弾性を指摘している。Avicel(登録商標)PH101さえもこのように高い変形を示し、そのためこの高い弾性を避けるために運転荷重を低くする必要があると結論付けることができる。] [0123] Heckelプロットの最初の変形部分の勾配の逆から、様々な材料に対する平均降伏圧力が得られた(図3)。滑沢化されていないブレンドは、滑沢化したダイ壁と圧縮した場合(「ダイ壁潤滑化ありの潤滑化されていないMeltrex」)、ダイ壁の滑沢化なしの滑沢化したブレンド(「目標のブレンド」)およびAvicel(登録商標)PH101よりも圧縮性に関して良好である様子であった。ダイ壁の滑沢化なしの滑沢化されていないブレンド(「潤滑化されていないMeltrex」)は、ダイ壁の滑沢化ありのファストフローラクトース(「壁潤滑化ありのラクトース」)よりも悪かった。] 図3 [0124] 上記の分析は、ポリマーベースの錠剤のキャッピングに向って大きな弾性の変形が存在することを実証していた。] [0125] エックス線マイクロトモグラフィー ダイ壁の滑沢化なしで滑沢化されたブレンドから作成された錠剤のエックス線画像は、材料のマトリックス中に伸びる著しく深い内部破壊を示していた。錠剤は、錠剤の横から伸びる内部破壊平面を示していた。これは、錠剤が光学的に完全であるように見えても、構造的に破壊されていることを意味する。多数の微小亀裂も、これらの材料に観察された。大きな亀裂は、最初に形成し、次いで、適用された加圧成形力が増大するとともに適用された力に対して垂直に方向を合わせる傾向がある様子である。微小亀裂は、排出の間、材料のマトリックスの内側の再配向を経験する様子である。] [0126] 図4A、4Bおよび4Cは、目標の粉砕押出物から作成され、滑沢化されていないダイにおいてそれぞれ36kN、42kNおよび48kNで圧縮された例示の錠剤のエックス線画像を示すものである。図4Dおよび4Eは、目標の粉砕押出物から作成され、滑沢化のダイにおいてそれぞれ42kNおよび48kNで圧縮された代表的な錠剤のエックス線画像を示すものである。] 図4A 図4D [0127] 粒子サイズ分布の効果 粒子サイズ分布は錠剤の内部構造に著しい影響があることが観察された。XMT画像は微細押出物から36kNで加圧成形された錠剤の内部破壊および微小亀裂は著しく少なく、多くの場合において、いかなる検出可能な内部破壊または微小亀裂もなかったことを示していた(図5Aダイ壁滑沢化なし、図5Bダイ壁滑沢化あり)。加圧成形の間、Heckelプロットは、微小押出物は加圧成形の最初の段階において再編成を経験し、目標の粉砕押出物および粗製押出物はこの挙動を示さなかったことを示していた。加圧成形の最初の段階の間のこの粒子の再編成は、微細押出物の内部構造破壊が著しく低減したことを説明し得る。別の意義深い所見は、滑沢化されていないダイにおいて圧縮された微細押出物(図5A)と滑沢化されたダイにおいて圧縮された微細押出物(図5B)の間のXMT画像は、内部破壊における著しい違いを示さなかったことであった。微細押出物では、せん断破壊平面は、ダイ壁の滑沢化なしでは42kNの主な圧縮力で出現し始め(図6A;ダイ壁の滑沢化ありの図6Bと比べて)、主な圧縮力が48kNに増大したときに深さ方向に増大した(図7Aダイ壁の滑沢化なし;図7Bダイ壁の滑沢化あり)。] 図5A 図5B 図6A 図6B 図7A 図7B [0128] せん断破壊平面は、ダイ壁の滑沢化なしで粗製粒子から作られた錠剤にも観察された。例えば、図8は粗製粒子から作られ、滑沢化されていないダイにおいて42kNで圧縮された例示の錠剤を示す。大量の微小亀裂が、これら粗製粒子に観察された。これは、粒子サイズ分布は、圧縮の間の加圧成形体の挙動の仕方に対して著しい影響があることを指摘していた。] [0129] ダイ壁滑沢化の効果 図4B対4D、図4C対4E、図6A対6B、図7A対7Bおよび図8A対8Bにおいて実証するように、ダイ壁の滑沢化ありで加圧成形した錠剤(図4D、4E、6B、7Bおよび8B)は、ダイ壁の滑沢化なしで加圧成形した錠剤(それぞれ図4B、4C、6A、7Aおよび8A)よりも内部破壊または微小亀裂が著しく少なかったことを示していた。ダイ壁の滑沢化の内部破壊に対する効果は、微細押出物および粗製押出物両方に観察された。] 図4B 図4C 図4D 図6A 図7A 図8A [0130] 図9は、粗製押出物から作成され、ダイ壁の滑沢化ありで48kNで圧縮された代表的な錠剤のXMT画像を表しており、内部構造が著しく改善されたことを実証している。] 図9 [0131] 結論 本発明をいかなる特定の理論に制限するわけではないが、ポリマーは、ステンレス鋼との摩擦が比較的高く、加圧成形後に膨張する傾向があると考えられている。錠剤の弾性回復は、ポリマーの静水力学的な状態を超えた膨張により内部の微小亀裂をもたらし得る。さらに、壁の摩擦によりせん断破壊ゾーンが発生し、遊離表面とせん断表面を分離し、キャッピングをもたらす。] [0132] 目標の粉砕された、微細押出物および粗製押出物の加圧成形は、MCC Presster加圧成形シミュレーターおよびエックス線マイクロトモグラフィーを用いて研究された。目標の粉砕押出物は、伝統的なAvicel−ラクトースベースの錠剤よりも弾性回復が高いことが観察された。材料の柔軟性は、錠剤の破壊を作り出した大きなせん断破壊ゾーンをもたらした。] [0133] Heckel分析によって得られた平均の降伏圧力値は、目標の粉砕押出物は、滑沢剤なしで圧縮するのに取り組みがいがあることを指摘していた。ダイ壁の滑沢化を用いて壁の摩擦を低減すると、圧縮が促進された。エックス線マイクロトモグラフィーをやはり用いて錠剤の内部を非破壊的に画像化し、錠剤が粗製押出物で作成され、目標の粉砕押出物は錠剤のコア内部に微小亀裂を発生する傾向を示したことが観察された。これらの亀裂は成長し、破壊表面に発達し得る。さらに、亀裂は加圧成形荷重の増大とともに再配向を経験することが観察された。これらは、高い加圧成形荷重で、通常の適用された負荷に対して垂直に整列する傾向があった。この観察は、方法における材料の破壊に対する説明を提供するものであり、方法の最適化に対するツールとして用いることができる。この傾向は、デモンストレーション運転の間キャッピングを示した錠剤に観察された。] [0134] 全ての試験した場合において、ダイ壁の滑沢化が用いられた場合、せん断破壊平面は消失し、または著しく低減した。したがってダイ壁を滑沢化することにより、錠剤の構造的完全性は改善され得る。ダイ壁の滑沢化の使用は加工可能性の改善をもたらし、それによって方法におけるキャッピングまたは剥離を排除または低減することができる。粒子サイズ分布も、微小亀裂の形成において重要な役割を示していた。したがって、加圧成形の間により微細な粒子を用いると、加工の間に錠剤の構造的完全性を著しく改善することができる。] [0135] 滑沢剤の供給速度−排出力プロファイル、引き続き一定の滑沢剤供給速度での圧縮力−硬度プロファイルを記録した。ダイ壁の滑沢化なしの方法に比べて、錠剤硬度の規格はより低い圧縮力で満たされ得る。滑沢剤の供給速度のわずかな変化に対する排出力の許容度は、一定の排出力に関して許容でき、方法の頑丈さを示していた。] [0136] 打錠前粉末ブレンドから滑沢剤を排除し、プレスチャンバーの表面を滑沢剤で層にした。これらは、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウムまたは他の適切な滑沢剤の一定の流れを提供する滑沢剤噴霧システム(FettePKB 2)を用いることによって実現された。滑沢剤を、加圧空気によってプレスチャンバー中に噴霧した。その後、過剰の材料を除去し、プレスチャンバーに、圧縮用の滑沢化されていない打錠前粉末を充填した。] [0137] 粉砕押出物を実施例1に記載した通りに調製し、16.67%ロピナビル、4.17%リトナビル、71.16%コポビドンK28、7%Span20および1%二酸化ケイ素を含んでいた。粉砕押出物を圧縮し、滑沢剤または流動促進剤などの添加剤との予備的なブレンドは行わなかった。押出物全てに対する滑沢剤供給速度−排出力のプロファイル、および好適な供給速度での圧縮力−硬度プロファイルを記録した。用いた滑沢剤はフマル酸ステアリルナトリウムであった。圧縮の運転はFette 1200(FETTEGMBH、Hamburg、ドイツ)上で行われ、これはFettePKB2と連結されてオンラインのダイ壁の滑沢化をもたらした。主な圧縮力は14.8kNから41.9kNまで変化した。圧縮の間、ロータリー速度、フィルオーマチック(fill−o−matic)速度、主な圧縮力、排出力および滑沢剤供給速度を記録した。全ての試験から試料を採取し、錠剤硬度および破砕性に対して試験した。] [0138] ダイ壁の滑沢化ありで、粉砕押出物は21kNまたはそれを越える圧縮力で容易に圧縮され得る。粉砕押出物を1%フマル酸ステアリルナトリウムおよび0.66%二酸化シリコンとブレンドした場合、比較可能な範囲における錠剤硬度を実現するのに、ブレンドは30−40kNで(ダイ壁の滑沢化なしで)圧縮されなければならなかった。0.05%から0.3%までの濃度のフマル酸ステアリルナトリウムを、ダイ壁の滑沢化なしで、圧縮前に押出物とブレンドした場合、錠剤硬度に対して著しい影響があることも観察された。オンラインのダイ壁の滑沢化ありでは、錠剤のコアはほとんど滑沢剤なしなので、錠剤硬度は影響を受けなかった。排出力は、滑沢剤供給速度に関して、比較的狭い範囲において極めて一定であると思われた。] [0139] オンライン滑沢化方法は、粉砕押出物が滑沢剤とブレンドされ、次いで滑沢化されていないダイにおいて圧縮される方法に比べて、いくつかの利点をもたらすことがある。これらの利点は、著しく短い方法の流れ(例えば、滑沢剤に対するブレンドは除去されてよい)、ブレンド方法のスケールアップなし、方法パラメータおよび変数の数の低減、連続製造方法の促進、ならびに圧縮添加剤の影響なしで純粋な錠剤コアを可能にすることを含む。] 実施例 [0140] 本発明の先の記載は、例示および記載を提供するものであるが、包括的であることを意図するものではなく、または開示した1つのみに本発明を限定しようとするものではない。改変および変更は上記の教示に照らして可能であり、または本発明の実施から獲得されてもよい。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲およびその同等物によって規定されると言及される。]
权利要求:
請求項1 ダイの内部表面は少なくとも1つの滑沢剤で滑沢化されており、打錠前材料は少なくとも1つの治療薬および少なくとも1つの薬学的に許容されるポリマーを含む、ダイにおいて前記打錠前材料を圧縮して錠剤を形成するステップ、および前記錠剤を前記ダイから排出するステップを含み、前記打錠前材料は、(1)1トン/cm2に等しくもしくはそれを超える圧力で圧縮した場合、変性もしくは不活性化される任意の治療薬、(2)1トン/cm2に等しくもしくはそれを超える圧力で圧縮した場合、その溶出が遅延される任意の低分子有効成分、または(3)前記少なくとも1つの滑沢剤によって影響を及ぼされる任意の治療薬を含まない、錠剤を作製する方法。 請求項2 前記打錠前材料がマトリックス中に前記治療薬の固体分散物を含み、前記マトリックスが前記薬学的に許容されるポリマーを含む、請求項1に記載の方法。 請求項3 前記打錠前材料が前記少なくとも1つの薬学的に許容されるポリマーを少なくとも30重量%含む、請求項2に記載の方法。 請求項4 前記マトリックスが少なくとも1つの薬学的に許容される界面活性剤をさらに含む、請求項3に記載の方法。 請求項5 前記薬学的に許容されるポリマーがN−ビニルピロリドンのホモポリマーまたはコポリマーであり、前記薬学的に許容される界面活性剤が4から10までのHLB値を有する、請求項4に記載の方法。 請求項6 前記薬学的に許容されるポリマーがコポビドンであり、前記薬学的に許容される界面活性剤がソルビタンモノラウレートである、請求項5に記載の方法。 請求項7 前記治療薬がリトナビルである、請求項6に記載の方法。 請求項8 前記打錠前材料がロピナビルをさらに含む、請求項7に記載の方法。 請求項9 前記少なくとも1つの滑沢剤がフマル酸ステアリルナトリウムを含む、請求項7に記載の方法。 請求項10 前記打錠前材料が、上パンチの下部表面と下パンチの上部表面の間のダイにおいて圧縮され、前記下部表面および前記上部表面が前記少なくとも1つの滑沢剤で滑沢化される、請求項9に記載の方法。 請求項11 前記錠剤が、イヌにおいて、非絶食条件下、少なくとも5μg・h/ml/100mgのリトナビル血漿濃度の投与量調節されたAUCを示す、請求項7に記載の方法。 請求項12 前記錠剤が、イヌにおいて、非絶食条件下、少なくとも5μg・h/ml/100mgのリトナビル血漿濃度の投与量調節されたAUC、およびイヌにおいて、非絶食条件下、少なくとも15μg・h/ml/100mgのロピナビル血漿濃度の投与量調節されたAUCを示す、請求項8に記載の方法。 請求項13 前記打錠前材料が、前記少なくとも1つの治療薬および前記少なくとも1つの薬学的に許容されるポリマーを含む溶融物を凝固させるステップ、および前記凝固した溶融物を粉砕して前記打錠前材料を提供するステップを含む溶融押出によって調製される、請求項3に記載の方法。 請求項14 前記少なくとも1つの治療薬が抗癌薬または抗疼痛薬を含む、請求項3に記載の方法。 請求項15 前記顆粒状または粉末状の材料が少なくとも1つの治療薬および少なくとも1つの薬学的に許容されるポリマーを含み、前記顆粒状または粉末状の材料における粒子の少なくとも90%が400μmより小さい、ダイにおいて顆粒状または粉末状の打錠前材料を圧縮して錠剤を形成するステップ、および前記ダイから前記錠剤を排出するステップを含む、錠剤を作製する方法。 請求項16 前記打錠前材料がマトリックス中に前記少なくとも1つの治療薬の固体分散物を含み、前記マトリックスが前記少なくとも1つの薬学的に許容されるポリマーを含む、請求項15に記載の方法。 請求項17 前記少なくとも1つの治療薬がリトナビル、またはリトナビルおよびロピナビルの組合せを含む、請求項16に記載の方法。 請求項18 マトリックスは少なくとも1つの薬学的に許容される親水性ポリマー、および場合により少なくとも1つの薬学的に許容される界面活性剤を含み、錠剤はいかなる滑沢剤も含まず、または前記錠剤における滑沢剤もしくは(複数の)滑沢剤の総量は前記錠剤の0.5重量%未満であり、前記錠剤は、(1)1トン/cm2に等しくもしくはそれを超える圧力で圧縮した場合、変性もしくは不活性化される任意の治療薬、(2)1トン/cm2に等しくもしくはそれを超える圧力で圧縮した場合、その溶出が遅延される任意の低分子有効成分、または(3)前記滑沢剤もしくは(複数の)滑沢剤によって影響を及ぼされる任意の治療薬を含まない、マトリックス中に少なくとも1つの治療薬の固体分散物を含む錠剤。 請求項19 マトリックスは少なくとも1つの薬学的に許容される親水性ポリマー、および場合により少なくとも1つの薬学的に許容される界面活性剤を含み、コアはその中にいかなる滑沢剤も含まず、錠剤は、(1)1トン/cm2に等しくもしくはそれを超える圧力で圧縮した場合、変性もしくは不活性化される任意の治療薬、(2)1トン/cm2に等しくもしくはそれを超える圧力で圧縮した場合、その溶出が遅延される任意の低分子有効成分、または(3)前記錠剤中に含まれる任意の滑沢剤によって影響を及ぼされる任意の治療薬を含まない、マトリックス中に少なくとも1つの治療薬の固体分散物を含む圧縮されたコアを含む錠剤。 請求項20 打錠前材料はいかなる滑沢剤も含まず、または前記打錠前材料における滑沢剤もしくは(複数の)滑沢剤の総量は前記打錠前材料の0.5重量%未満であり、前記打錠前材料は、(1)1トン/cm2に等しくもしくはそれを超える圧力で圧縮した場合、変性もしくは不活性化される任意の治療薬、(2)1トン/cm2に等しくもしくはそれを超える圧力で圧縮した場合、その溶出が遅延される任意の低分子有効成分、または(3)前記少なくとも1つの滑沢剤によって影響を及ぼされる任意の治療薬を含まない、少なくとも1つの治療薬および少なくとも1つの薬学的に許容されるポリマーを含む打錠前材料。
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